MUKU-DATA  朴と欅の耳付き板  

ウッドデッキが劣化したので作り変えるとの事で
少し劣化するのが早いのが気になり現場の状況確認とお客さんの意向を伺いに
2週間ほど前に行ってきた。
建築当初、四季の風情?雨の音や自然な風情が感じられる為に
雨樋はあえて取り付けず、庭は苔庭を作られた。
庭に面してL形にウッドデッキが取り付けられていて、
常に雨があたり湿った状態になっていたので劣化するのが早かったんだろう事も
何となく原因はわかった。

選択肢としては、また同じような状況でウッドデッキを作っても
同じ位の期間で劣化するであろうから
・今度は樹脂製に変える。
・デッキは止めて沓脱石などへ変更(木の塊でもあり)
・どうしてもウッドデッキに拘るならば杉の赤身からハードウッド系の
デッキ材へ変え塗装のメンテナンスをDIYで定期的に行う。。
など・・かなと思いつつお話を聞いていたら、

そうだ、お客さん、木の使い方や見え方、めちゃくちゃ考える方だったんだぁ・・
って事を思い出した。
(建築当時の黒柿の見え方のお客様の考察→ 黒柿 見立て 見せ方
普通じゃなかったんだぁ💦💦・・って。。
樹脂のデッキの選択肢はなく、あくまでもウッドデッキ
んで、もっと何か自然な感じの面白い見え方ないですかねぇ・・・と
またお客さんの方からデッキの先端部分の曲線のある耳付き板ってないですかねぇ・・
って展開へ発展していった。。。

耳付き板を探すって課題をいただきつつ、何かないかなぁ・・と。。
耳付き部分だけ欲しいって、これがまた簡単なようでなかなか難しいんですよ。
杉の耳じゃ、凸凹が少なくてツルンとしていまいち面白みに欠けますよね。。。

適材という答えの出ないまま、お客さんが木材倉庫へ材探しに来られたんだけど
これがまた、どうしたことか
探してもなかなかなかった耳付きジャストサイズのものが直前に出てきたのです。

もともと、耳自体、白太部分で耐久性はないし、傷んでいる事が多いんだけど・・
その点は良く説明して、定期的に塗装をDIYするって事と
先端部分の取付なので傷んだらその部分だけ変える必要がある事を説明して
これらの耳を使う事になったのです。

一枚板の耳の部分が欲しいって・・
これ魚で言えば、焦げた皮の部分くれって事か・・?
そこまでじゃないか・・? 皮だと樹皮にあたるかぁ・・
パンの耳ってところかなぁ・・
でもパンの耳もある程度は必ず出てくるよね。
木の耳も出るのは出るけど、曲線具合が大切だし、傷んでいる事多いしねぇ。。

倉庫に立て掛けてある木って面白いもんで
この日、この2枚の耳付き板を使う事になったら
その横にもう一本あった朴の木の巾のない耳部分も嫁ぐことが直後に決まったのです。
こちらは何に使うのか聞いたら、蔵戸を吊る為の鴨居に耳付きを使うらしい。

木が近くのいる木、共木を呼び覚ますっていうか・・
良くある話なんだけどね。。


因みに耳だけくれって言われても、もうありませんので・・
たまたまその時にあれば、喜んでお出しできますけども。。

DIYで建築家さんと二人でデッキ材を下地の大引きまで作り上げて
あとは耳部分待ちって今朝メールが届いていたので
先程、お届けしてきました💦


ウチって何屋? こういうのホント1点物だよね、
でも何だかそんな使い方していただいて嬉しいんですよねぇ。。